2016年05月13日

人と組織のマネジメントを考える(3)〜「優秀な人材の育成をどうするか?」

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昨年(2015年)11月から、「開発こうほう」誌に掲載の原稿を、同誌の許可を得てブログに転載致します。
今回は第3回「優秀な人材の育成をどうするか?」(2016年5月号)
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 本連載では、第1回で「優秀な人材ってどんな人?」のタイトルで、組織にとっての優秀な人材を「自社の事業で成果をあげられる人」と定義づけました。前回第2回では、「優秀な人材の確保をどうするか?」と題し、その優秀な人材を採用するキーポイントは、第1回で明確にした「優秀な人材の基準(要件)」の伝達・共有化にあり、とお伝えしました。
 
 第3回の本稿では、その採用した人材をどのようにして育成するか、がテーマです。本稿で言う「優秀な人材の育成」というのは、一部の優秀なエリートを育てるという意味ではなく、優秀な人材となる可能性が高い人を採ったからには、それぞれが花開くように育成支援するということです。全員が優秀な人材になるための育成、と言い換えてもいいかもしれません。
 
 結論から述べると、優秀な人材(になる可能性が高い人)が、その可能性を発揮できる環境をつくることが一番重要なことです。可能性を発揮できる環境づくりとは、仕事の任せ方、いつでも相談できる風土、人をやる気にさせる仕組みの3つです。仕事の任せ方と相談出来る風土の具体的な内容は以下の5項目です。
 @期待すること
 A目的と目標を持たせること
 B常に自ら考えさせ、自ら学ばせること
 C上司が適切なフィードバックをすること
 D職場が相互に関心を持っているチームとなること

 ➀は、まず、会社(職場)に新人が来たら、歓迎し、期待を伝えることです。上司だけではなく、全ての先輩がそうすることです。

 ➁は、会社や仕事を覚えるための導入研修や職場での指導(OJT)を行う際に明確に目的を示すことです。この指導期間中でも、先ほどの期待と共に、半年後、1年後の目標を明確に伝えることです。
 
 Bは、仕事の知識・スキルを教えることと共に本人自身に考えてもらうことです。特に、一つ一つの仕事の意味目的を伝えるだけではなく、自分で考え、実感してもらうことが肝要です。具体的には「あなたはどう考える?どうすればいいと思う?」と質問することです。

 ➃は、常に上司が仕事の進め方や成果、取り組み姿勢についてのフィードバックを行うこと。フィードバックとは仕事であればその成果や出来栄え、進め方を客観的に評価し、いい点は褒める、まだ不十分な点は改善点・課題として具体的に伝えることです。
 フィードバックは上司だけではなく、先輩・同僚からもあれば、さらに効果的です。そして、それは新人に対してだけではなく、今いるメンバー相互についてもいえることです。

 また、@〜➃は上司だけの仕事ではなく、職場の先輩・同僚の仕事でもあります。そのためには、職場をDのチームとして機能する場にしておくことです。チームとは、共通の目的・目標を持ち、その実現のために役割を担うメンバーが、意欲を持って協働関係をつくり、コミュニケーションがとれ自由に相談ができる集団です。
 
 さらに、これまで述べた@〜Dの項目の実現のためには、組織としての仕組み(別な表現で言うと仕掛け)が必要です。それについては、次回で述べます。


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2016年05月03日

人と組織のマネジメントを考える(2)〜「優秀な人材を確保をどうするか?」

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昨年(2015年)11月から、「開発こうほう」誌に掲載の原稿を、同誌の許可を得てブログに転載致します。
今回は第2回「優秀な人材をどう確保するか?」(2016年1月号)
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 平成27年10月、2016年入社の大卒等新卒者の就職活動(新しい就職協定)の問題の記事が新聞紙上他マスコミで多数報道された。2016年卒採用から、前年より採用活動が後ろ倒しとなったが、実際は守られず、デメリットも多くみられた。11月には、採用活動開始を見直して6月に前倒しするという方針が出た。本号が出る頃には2017年卒採用の新指針が出ているだろう。優秀な人材の採用とは、新卒者だけではなく、中途入社者も入るが、どちらにしても採用環境は毎年、景気や業界、求職者の動向でも大きく変化している。

 前回(11月号)で「自社にとって優秀な人材」とは、『自社の事業において成果を上げられる人』であり、その明確な人材要件(採用基準)を決めることが肝要だ、と述べた。採用活動においても、この人材要件をフルに活用する事が重要だ。
 
 この人材要件(採用基準)を抽象的な言葉で表すだけではなく、意味が通じることが必要。今いる社員の具体的な事例や人材要件の活用場面を、応募者に分かるようにすることだ。そして、それを社員(一番は経営者、幹部)が、直接応募者に語ることだ。
 
 私が、最初の会社で学んだことの一つは、人材採用は企業にとっては最大の投資であるということ。その理由は投資金額の面でいえば、定年まで働くと、一人約2億円程度、年間500万円(大雑把な平均)。会社にもよるが、10人、100人いたら、その10倍、100倍。しかし、機械・設備と違ってスペック(性能)は確定していない。投資コスト(採用・人件費)は同じでも、投資効果(人の出す成果・業績)の幅は大きい!これは極めてトップマター(社長が関わる課題)だ。

 私が独立したばかりの頃、以前から懇意にしていた小さな会社の社長から社長室長の名刺をもらい、採用面接を手伝った。その社長は徹底した面接重視で、時間をかけ自社の経営理念、求める人材像を述べ、応募にきた学生の考えや希望、目標を徹底して訊いた(聴いた)。採用面接というより入社時オリエンテーションのようだった。この社長面接によって、社長から「あなたは他の会社にした方がいいよ」と言われても、逆に、是非入社したいという学生まで出てきた。

 就職情報会社の就職ナビや説明会、大学内説明会、中途採用の求人広告(今はネット)、ハローワーク等、採用広報には様々な手段はあるが、一番のメディアは、社長そして、今いる社員である。彼、彼女たちが会社のことを一番よく知っている。大変なところも、つらいことも。そして、一緒に働く優れた人材を、求め、期待しているはずである。

 最初の会社では、全社員が知っていた採用基準があった。その一つは「一緒に働きたい奴(やつ)かどうか」、もう一つは「自分より優れた社員になれる人材かどうか」だ。もちろん仕事の能力面では、他にももっと具体的な基準はあった。
 
 細かな採用選考の方法は述べなかった。明確な「人材要件(採用基準)」の作成と活用、会社のことを伝え、それと共に相手のこと深く知ることが大事。採用活動も決め手は“人”だ。


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2016年05月02日

人と組織のマネジメントを考える(1)〜「優秀な人材ってどんな人?」

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昨年(2015年)11月から、「開発こうほう」誌に掲載の原稿を、同誌の許可を得てブログに転載致します。
今回は第1回「優秀な人材ってどんな人?」
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 私が最初に入った会社は、その当時企業の人材採用広報や人事教育事業等が主な柱であった。ここで約9年間勤め(東京・札幌・大阪に勤務)、その後縁あって小さな人材開発コンサルタントの会社(東京)へ転職した。その4年後に北海道へUターン。その初めての仕事であった企業研修事業の経験を基礎として、札幌で独立して17年目、現在に至っている。

 今回の連載では、これまでの会社での「研修事業」の経験と独立後のコンサルティング経験の中から「人と組織のマネジメント」の各回テーマ(問いかけ)とそれについての私の考え(答え)を提示していく。また「開発こうほう」誌の記事なので、北海道という地域性も加味した内容にしていきたいと考えている。

 初回テーマ「優秀な人材ってどんな人?」は、少し言葉をつけ加えると『わが組織(会社、役所、病院、学校等々)において“優れた人材”はどんな人と考えたらいいのだろうか?』という問いかけ、である。
結論から先に言うと、「自社にとって優秀な人材」とは、『自社の事業において成果を上げられる人』であり、その明確な人材要件(採用の際は、採用基準)を決めることが肝要。

 人材開発コンサルタントの視点から、自組織での優秀な人材要件を決める手立てとしては、「自社で一番成果を上げている人は、どんな資質・特性を持っているか?」の答えを調べて明確にし、それをモノサシにすることだ。

 大組織の場合には、高い成果を上げている人(成績上位グループ)とそうでない人(成績下位グループ)とで違いのある行動特性(これを「コンピテンシー」と言う)を明確にしてそれを基準にする。この決め方は、組織のトップ(中小企業では社長、大企業では人事部門の幹部役員)の個人的な考えや経験で決めるよりは、はるかに良いといえる。

 私の経験から言うと、この方式にはプラス面とマイナス面の両面がある。中小企業の場合には、現在いる社員で優れた人材は、たまたまそのパーソナリティ(性格特性)だけではなく、その他の面(人間関係や業界特性、本人の興味)でもぴったり合ったので成果を上げていることも多く、個人的な特性だけでは適合しないこともあるのだ。

 大企業では「コンピテンシー」を統計的に妥当な基準として作る事は可能だが、これは過去と現在までの経営環境での結果(成績)に結びつく要件である。環境が激変する中では、それだけでは今後必要とされる優秀な人材とはならないかもしれない。今後のビジョンに基づく要件も必要となる。

 また、わが組織に合った優秀な人材という目立った特徴・資質を有する前に、どのような仕事や組織であっても仕事をする人材として基本的な(共通する)能力がなければならない。これを外すとわが組織に合った人材といっても、そもそも目立った特徴の見かけ倒しで終わってしまうことにもなる。

 さて、わが社にとって優秀な人材とはどんな人か、が分かっても、どのように採用するか(応募してもらうか、選考できるか)という課題が残る。このテーマは次回で考えていきたい。

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