2025年02月26日

評価と育成一体化の仕組みづくりを考える【1】人事評価を活かす8つのキーポイント

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「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考える【1】
 〜人事評価を活かす8つのキーポイント


私の研修でこの数年増えているテーマの一つは「人事評価研修」です。
企業はもとより、特に最近は地方自治体での人事評価研修も多数担当しています。

「人事評価研修」はほとんどの場合、評価者である管理職(上司)対象ですが、最近は一般職(部下)を対象とする研修を実施することも増えてきました。管理者(上司)と一般職(部下)と一緒に参加するケースもあります。

今回は、「人事評価研修」でお話している「人事評価」と真に役立つ「人事評価制度」の8つのキーポイントについてお伝えします。

(1)私が「人事評価研修」でお話しする8つのキーポイント

➀人事評価は何のためにするのか(人事評価の目的は何か)?
➁人事評価は、各人の仕事「PDCAサイクル」の「C&A」
➂人事評価の一番は「自己(本人)評価」、次に「他者(上司)
 評価」、さらに「複数名評価(360度評価)」
➃「人事評価シート」は人材マネジメントのツールであり、
 シートの評価項目を睨んで評価してはいけない。
➄評価者会議を実施しよう(「評価擦り合わせ会議」、
 「評価育成会議」、「成長支援会議」)


さらに「人事評価研修」だけでなく、真に人材マネジメントの役立つ「人事評価制度」のキーポイントとしては、以下の3つ
E人事評価制度は、自社の経営理念、ミッション・ビジョン・
 バリューとつながっているか?
F自社のいい仕事のモノサシは自社内で考えてつくろう
(人事評価コンサルタント会社の素晴らしい理論・理屈の話に
 惑わされるな!)。
➇いい仕事の評価と人材育成の一体化が最大のキーポイント、
 会社の人事評価制度はどれ位いい仕事の成果を上げる組織づ
 くりと人材育成に結びついているか?


それでは前述の➀〜➇のキーポイントについて各々具体的に考えていきます。

まず、私の実施する「人事評価研修」で話すキーポイント5つのなかから、そもそも「人事評価」とは、何のためにするのか?を考えていきます。

(2)「人事評価」とは何か?何のためにするのか?

➀人事評価は何のためにするのか(人事評価の目的は何か)?
「人事評価は何のためにするのか?」と問われたら、皆さんは何と答えますか?

もちろん答えは一つではありませんし、絶対的な正解もありません。
私は研修では、“一言で言うと『いい仕事をするために、社員(職員)ひとり一人の一定期間の仕事の状況を振り返り、次の仕事へ活かしていくため』にすること”とお伝えてしています。

この目的を実現するためには次の3点が重要なポイントとなります。

@)いい仕事をするために適切な評価を行う(自己評価,他者評価)
いい仕事をするための評価項目を基に、職務での社員一人一人が成果に貢献した状況や発揮された能力を個別に評価すること。

A)いい仕事をするための個々人の社員育成(自己育成、育成支援)を効果的に行う
いい仕事をするために社員各人の能力向上を促進させることをねらいとします。面談を通して共有した目標と具体的な評価項目をその期の能力向上の指針として期中に積極的な育成支援を行うことが上司(管理者)に求められます。

B)仕事の評価と部下育成との一体化を図る
上記@)の「評価」とA)「育成」の一体化を図り、ともすれば別々に実施されがちだった「仕事の目標管理」と「社員育成」とをPDCAサイクルを効果的に回すことで、個人の能力開発と業務の目的達成を同時に実現することを目指します。
人事評価の結果は,処遇(昇給や賞与,昇格等)に活用されますが,ここでは「評価」と「育成」に焦点を当てて考えています。

➁人事評価は、各人の仕事「PDCAサイクル」の
 「C&A」(評価と改善・向上)

「人事評価=処遇のため」の考え方では人事評価の本質を見誤ることとなります。
上記の@)、A)、B)のポイントを押さえた評価が行われることでいい仕事をするためが真の目的なのです。
そのためにPDCAサイクルを回して、特にCheck(評価)とAction(改善・向上)を仕事成果の面と仕事をする社員各人の
行動や能力の両面で行うことです。


(3)「人事評価」は誰が、どのようにするのか?

➂人事評価の一番は「自己(本人)評価」、次に「他者(上司)
 評価」、さらに「多面評価(360度評価)」


人事評価研修と言うとほとんどの場合、評価者(管理者、つまり上司)の研修となります。
しかし、私の実施する人事評価研修では、評価者だけではなく、いわゆる被評価者(実は,私はこの言葉は好きではありません)つまり評価される部下も参加して行うことが多いのです。

この研修は、単なる人事評価制度(人事評価の目的や目標設定や自己評価の仕方等)の説明ではなく、人事評価と言う仕組みを使って、いかに自らの仕事の目標達成や改善、そして自分自身の能力向上に活用するかという内容です。

先にお伝えした通り人事評価は『いい仕事をするために、社員(職員)ひとり一人の一定期間の仕事の状況を振り返り、次の仕事へ活かしていくため』にすることです。
この意味からすると、一番の評価者は、社員(職員)一人ひとりの本人(自分自身)なのです。

しかし、自分自身の評価は、主観的にならざるを得ない面があります。
「自己(本人)評価」が適切にできるようになるためには「他者(上司)評価」も必要であり、人材マネジメントの視点では、「他者(上司)評価」を部下本人の納得性も高く、客観性も高い評価にしていくことが重要となります。

そして3つ目は,上からだけではなく被評価者の上(上司)、横(同僚)、下(部下)の3方向又は上下の2方向からの多面(360度)評価です。

➃「人事評価シート」は人材マネジメントのツールであり、
 シートの評価項目を睨んで評価してはいけない


多くの人事評価では、評価項目(評価要素とも言い、多くの場合、項目や要素の内容を具体化するための着眼点も記されています)の内容の理解や評価シートの活用法(目標設定の仕方や評価点のつけ方)、評価する際の留意点等を学びます。それ自体は大切なことです。

しかし、評価項目内容や評価シートの記入の仕方、評価の仕方を理解して、評価シートの項目を睨みながら公平で平等な評価をしようしても、部下本人の納得性が高く、妥当な評価をすることは簡単ではありません。

一番大切なのは、評価シートを睨んで考えることではなく、部下に関心を持って日頃からよく仕事ぶりを観察すること、職場で報告や相談を受ける等のコミュニケーション量を増やし、その質を高めることです。

具体的には、積極的に部下からの報告・相談を受けること、そのための機会・場(会議、ミーティング、打合せ)をつくること、そもそも部下から見て話しかけやすい、相談しやすい上司になることです。

以上の様にして、部下についての情報をよく把握していかないと、いくら評価項目を理解し、評価の仕方を学んでも、部下ひとり一人の仕事の成果やその取り組み行動、何故そうしたのかという理由・考え等、評価する材料・情報を持っていないと意味がないのです。

➄評価者会議を実施しよう(「評価擦り合わせ会議」、
 「評価育成会議」、「成長支援会議」)。


人事評価制度では,多くの場合「自己評価(自己申告)⇒上司評価(一次評価)⇒上位者評価(二次評価)⇒決定(調整評価)」と言う縦ラインで行われています。

しかし、このような評価の仕方だけで行うと組織内での評価者のバラつきや偏りを調整して、適切妥当な評価をすることは容易ではありません。

そのための具体策として有効なのが、組織(部署)内での一次評価者が横並びで集まって行う「評価者会議」です。
参加した一次評価者が、自分の評価結果とその理由や根拠を各々が発表して、参加メンバーから質問やコメントを貰ってその妥当性を検討する場です。

評価の結果を調整するだけの場ではなく、評価のプロセスをお互いが公表し、その妥当性や客観性を検討し合い、評価の仕方や評価項目の見方等評価基準について共通認識をつくる場です。さらには、その評価をした部下をどのようにして育成支援をするか迄を相談し合う場にするのです。

(4)真に役立つ「人事評価制度」は〜3つのポイント

さて、これからは真に自社(自組織)の人材マネジメントに役立つ「人事評価制度」の3つのキーポイントについて述べていきます。

E人事評価制度は、自社の経営理念、ミッション・ビジョン・
 バリュー、人材育成方針等とつながっているか?


人事評価制度は、自社において「いい仕事」の評価基準を創るものだと言えます。
最近はIT化(DX化)の流れで人事評価を変化の時代に様々な考え方、理論・理屈で新しい人事評価制度をシステム化して、コンサルタント会社が提示しセミナーやネットでPRしています。

しかし、土台になるべきものは、そのコンサルタント会社の理論・理屈ではなく、自社が求める人材であり、目指す組織風土です。
その土台の元である自社の経営理念(社是・社訓)、ミッション・ビジョン・バリュー、行動指針を明確にすることです。

あなたの会社の経営理念は事業活動、日々の仕事で行かされる内容になっていますか?
単なる立派な言葉・文章ではなく、社員に通じる実践的な内容となるように見直す事(再構築)が必要な場合もあります。

F自社のいい仕事のモノサシは自社内で考えてつくろう
〜人事評価コンサルタント会社の素晴らしい理論・理屈の話に惑わされるな!

前項Eで述べたように、自社のいい仕事の土台となる基準(モノサシ)は経営理念、ミッション・ビジョン・バリューであり、具体的な内容は、実際の現場でいい仕事をして成果を上げている社員や管理者(マネジメント)の行動とその成果です。

私どもの人事評価制度づくりは、各クライアント(顧客)企業の経営者・幹部、管理者、いい仕事をしている社員が参画したワークショップ(又はプロジェクト)で作成していきます。
作成するのは自社の業務の業績評価基準、必要な能力育成の基準・要素です。

多少の時間とコストはかかりますが、外部コンサルタントの多額な人件費負担のコストではなく、現実・現場の中から「いい仕事」のコツ・ヒントを見つけるのです。仕事の実践の中にいい仕事の評価基準(モノサシ)があるのです。

➇会社の人事評価制度はどれ位いい仕事の成果を上げる組織づくりと人材育成に結びついているか?

多くの会社で「評価⇒処遇」のための人事評価が行われています。確かに昇進・昇格、昇給・賞与に反映するために評価することも人事評価の重要な機能の一つです。
しかし、もう一つの大きな役割があります。それが「人材育成と組織風土づくり(組織力向上)に役立つ評価」です。

そのために現行の「人事評価制度」は機能していますか、十分に役立っていますか?




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posted by igajin at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 人事評価制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月06日

この5カ年の変化と今後の変革

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人材育成・人事組織コンサルタント潟Cンタフェースの情報提供メールマガジン年末年始号(2024.12.23)で『この5年間の変化とこれからの変革についてのアンケート』を取りました。

十数名の皆さまからご返答を戴き、その内容を要約して以下にご報告いたします。

■アンケート1 【5年間の大きな変化】
2020年(令和2年)から2024年(令和6年)の5年の間で起こった変化の中で、あなたの仕事や職場で大きく変化したと思う事柄を3項目迄お書きください。
 

回答が多かったカテゴリー順です(内容を項目又はワンセンテンスで要約)。

1.コロナ禍の仕事への直接・間接的的影響

@コロナ禍での仕事の激減
Aデジタル化の急進、DX化による業務の進め方が変化
B対人的接触のある機会の減少
C研修が一時全てストップ、その後オンライン化、現在は集合
 対面に戻る。
➄情報把握の方法が変わった(PCやスマホが一人1台渡されて
 情報共有の仕組みが変化)。
Eテレワーク(在宅勤務)可能になり、どこにいても職場と同じ
 環境で仕事ができるようになった。
➆ZoomなどWEB会議システムも活用され、遠方でもまた時間
 調整して打ち合わせや研修が可能になった。
➇単身赴任者が週末前後に「テレワークと言う名の休暇」を
 とっているという悪用されているようなケースもみられる。
➈WEB会議の増加で出張機会の減少。移動時間なくどんな場所
 からも参加できるメリットと参加者と直接顔を合わせられな
 いデメリットがある。

2.個人的な仕事環境の変化

@一人管理職で仕事をしていたが、新卒採用で部下が出来た。
A管理職へ昇格したが、係長兼務で両方の業務が並行で必要と
 なった。
B20代、30代の若い職員の退職やメンタルの問題で組織内で
 長期休暇が増えている。
C部署が変わりこれまで関わっていない業務に従事し、その
 ことで考え方(発想)が変わった。
➄トップが変わり、変わったことで新しい事業が増えてきた。
E管理職になって、やることが増えて大変です。

3.少子高齢化による人材不足や採用後の定着(退職)問題

@就業人口の減少が進み、人件費の高騰もあり人材確保が難し
 くなっている。
A“〇〇ハラ”問題や労働時間の厳守により雇用側として頭の痛
 い問題が増加
Bすぐ辞める(注意すると辞める、異動させると辞める)若者が
 増加
C定年延長(それに伴い役職定年)での雇用延長者のモチベー
 ション低下の問題
➄管理職を目指さない社員の増加

4.コロナ禍の生活への変化

@オンラインや配達による購入が圧倒的に増加した。
A宅配ポストや不在時ロッカーの利用で不在時や体調不良でも
 宅配依頼ができ、配達員の皆さんの負担も軽減された。


■アンケート2 【主体的に創る”変革”】
前項のアンケート1に書かれた5年間の”変化”の中で、自ら”変革【主体的に変化を創っていく】”すべき(したい・出来る)ことは何ですか?


1.個人的な変革

@安心して仕事を任せられるような指導をする。
A年上であり先輩である部下への接し方を模索中。
Bついつい発する愚痴をポジティブに前向きに転換し、その
 意識の輪を広げたい。
Cデジタル化の恩恵を受けつつ、その代わりに不足したコミュ
 ニケーションを補うことを意識してコミュニケーションを図
 りたい。
➄集団的行事でコミュニケーションを図ることから、日頃から
 日常での声掛けや見守りで個別コミュニケーションをとる。
E部下とのコミュニケーションを多くとる。
➆自分の意見をぶつける。

2.デジタル化(DX)における変革

@デジタル化で遠隔ビジネスを生み出す(ネット販売ビジネス
 が伸び、スーパー等リアル店舗が伸び悩む)。
A多くの業務の効率化(下記項目既に実行済)
 *電話発信業務の自動化(オートコール)
 *OCRの導入(読み取り後一括入力)
 *RPA・マクロによる集計業務の自動化
 *会議システムの導入(場所を選ばずに会議に参加)
B最近話題となっているDXについてワーキンググループを
 つくり、話し合いの実施。
C事務管理のDX化のみならず営業活動のDX化(個別の電話
営業からSNSやネットを活用する営業活動の具体的展開)。

3.事業や業務の変革

@時代の変化に合ったニーズの見直し(”密を避ける”から”密を
 取り入れる”へ、又流行りの「なぜ」を分析)
A会議などへの参加方法の変化
*積極的に対面による人づくりを行うよう野伝えていきたい。
一方で対面以外での人間関係の構築を考えていきたい。
B仕事の属人化から共通認識や共有、仕組みづくりを図る。

4.組織の変革

@組織としてのハラスメントへの対応が急務(社員が安心して
 仕事ができる環境改善)
 *カスハラへの組織的対応を進める
A個別の育成も大切だが、組織メンバーの相互の関係性を高め
 率直な話ができる風土、雰囲気を意識する


今回のアンケートの回答者は、経営者(社長)から、部長・課長、担当者迄、またコンサルタントからサービス業、金融業、自治体職員まで多様なメンバーでした。

読者の皆さまのこの「5年間の大きな変化そしてこれからの”変革”」はどのようなものでしたか?

各々の視点からの意見を参考にして、考えて、そして変革の行動を一歩ずつ進めていったはいかがでしょうか。




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