社内で作成する資料の参考にということのようでした。
それについて答えた内容を中心に、以下に述べてみます。
昨今は、失業率や大学卒業予定者の内定率などが示すように、雇用環境は極めて悪く、企業業績低迷による人材への投資の冷え込みに回復の見通しは立っておらず、依然として深刻な状況が継続しております。
企業研修・コンサルティング業界においても、同様に企業の人件費圧縮や研修費用削減の圧力は高まり、厳しい状況であることは言うまでもありません。しかし、お客様となる業界や個別企業の状況により、かなりの違いも見られます。厳しい経営環境の中でも、人材力や営業力、また組織力においてその業績を向上させることを経営戦略として位置づける企業もみられ、そのための積極的な人材投資も行われています。
全般的には、階層別の集合研修の実施は会社の業績により抑えられる傾向がありますが、企業の経営課題や組織力強化のために、継続的な研修や職場でのミーティング方式の研修が実施されてきています。また、顧客満足(CS)や顧客価値創造、そして組織のコンプライアンスの観点では、個人の知識・スキル向上だけではなく、チーム力、組織力の向上を目指す動きも増えてきています。また、主に製造業等では改善活動や5S活動など職場に密着した活動を通してのチーム力や現場力を高める動きも継続的に実施されています。
厚労省を中心とした雇用対策のための人材育成の助成金(ジョブカード活用の有期実習型訓練やインターンシップまた中小企業緊急雇用安定助成金等)を活用した事業所内訓練カリキュラムなどの実施も増加し、企業の人材育成の下支えとなっています。
他には、国、自治体、第3セクター及びその関連の公的機関・団体における職員の人材育成も急務となっています。他には大学や病院など市場経済とは一線を画していた業界においても収益が重要課題となっています。損益や効率化を考える組織づくりのための人材育成という課題に直面して、生き残りをかけるための教育研修が実施されるケースが増えてきています。
今後、企業研修・コンサルティング業界においては、現実の課題解決に役立つと共にと共に、チーム力、組織力を高めて「学習する組織(※)」づくりを実現できるアプローチ・手法が重要視されてきています。この「学習する組織」となることは、民間企業、公的機関を問わずこの大変革時代を勝ち残るために必須の要件ともいえます。
2000年代の企業研修で大いに注目され、実施されていた「コーチング(対話)」から「アクションラーニング(チーム学習)」へのシフトもこの流れに沿っていると思います。
※「学習する組織」:組織のメンバーがビジョンを共有しながら、行動と学習を自発的に繰
り返すことで、競争力を維持するために持続的な変化を行う組織的能力を身に付けた企業・団体のこと。
以上私見まで。
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