
前回は「相談とは」のテーマで、相談には「うまく相談する(相談に乘ってもらう)」力と「うまく相談に乘る(相談する人の求めに応じた回答をする、又は回答へ導く)」力の2つがあると述べました。
これを整理すると、
(1)相談をする⇒相談に乗ってもらい、メリットを得る。こちらが「相談活用力」
(2)相談を受ける⇒相談に乗ることで、相手を支援する。こちらを「相談対応力」
というように、相談力は「相談活用力」と「相談対応力」の2つからなると言うことができます。
相談者のコミュニケーションの取り方「相談活用力」としては、以下の3つがポイント。
@)自分自身が相談する目的と成果(相談した結果何を得たいのか、何が分かればいいのか、何が進めばいいのか、等)を明確にしておくこと。
A)相談したいことの内容を整理して、相談する相手に分かりやすく伝えること。
B)相談相手が、伝えてきたアドバイスや支援内容の理解を確認・把握すること。
以上の3つのポイントに必要なコミュニケーションスキルは「伝える力(説明力)」「傾聴力」「質問力」の3つです。
一方、相談を受ける人の「相談対応力」では、上の相談する人の3つのポイントに対応して
@)相談に来た人の相談事の目的と成果(相談した結果何を得たいのか、何が分かればいいのか)を、まずしっかりと聴くこと。
A)明確でない場合は質問して、さらに相談にきた相手自身の考えを整理して、明確にさせること。
B)把握した相談に来た相手の求めるもの、必要なことをアドバイスして、分かりやすく伝えること。
以上のポイントに必要なコミュニケーションスキルは、まとめると以下の3つとなります。
@)傾聴力:相手の相談の目的と相談内容を相手の立場、視点から、聴き受容すること
A)質問力:こちらの理解を確認したり、相手の考えを共有したり、相手の考えを整理する、引き出す等
のために効果的な質問をする力
B)応答力(伝える力):相手の目的(要望、期待や求める成果)に合わせて必要なアドバイスやその他の対応ができること
これまで述べた、相談者が「相談活用力」の3つのポイントを押さえた相談ができ、かつその相談を受ける人の「相談対応力」の3つのスキルが高いと、これは非常にスムーズでかつ効果的な相談のコミュニケーションが成り立つわけです。
現実には、両方共高いスキル(相談力)がある、と言うことは稀です。
相談する人が新人や若手社員であれば、相談したいことの内容の整理もままならないということもあります。相談を受ける人がその仕事のエクスパートで専門能力が高い場合には、逆に何で分からないのか、と思って「何でそんな当たり前のこともわからないんだ!」とつい言ってしまったりします。
まずは、相談する人は、自分自身の「相談事」を整理し、明確にして、分かりやすく伝える。
相談を受ける人は、自分が知っていることかどうかの前に、目の前の相手「相談する人」がどう思い、感じ、考えているのかを掴む。これがスムーズな相談のスタートになるのです。
今回は、2つの「相談力」について述べてきました。
前回は「相談」の一般的な意味を述べましたが、相談といっても新人・若手社員と中堅社員、ベテランでは、相談の仕方も内容も違ってきます。次回は、組織における「相談の4つの段階」をテーマにしていきます。
(前回から2か月もたってしまいました。次回は遅くとも1ヶ月できれば半月後にアップしたいと思います)
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