2017年05月07日

人と組織のマネジメントを考える(7) 〜「社内の人的資源だけじゃ間に合わない!」

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一昨年(2015年)11月から、「開発こうほう」誌に不定期で掲載の原稿を、同誌の許可を得てブログに転載致します。
今回で最終稿、第7回「社内の人的資源だけじゃ間に合わない!」(2017年5月号)
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2015年11月号から始まった「人事組織マネジメントを考える」シリーズも今回が最終回。もう採用ができない、育成も間に合わないと言われる人手不足の昨今、その時どうるすか、が今回のテーマ「社内の人的資源だけじゃ間に合わない!」。

このテーマの背景には3つのことがある。
まずは、上述の「人手不足(採用困難)」という人材市場の状況。次に第5回「多様な人材を活用するためには?」(2016年11月号)で述べた直接雇用以外の人材活用の増大。最後に、積極的な意味での社外人材・組織の活用の必要性。

人と組織マネジメントで重要なのは、会社として中核的な人材・会社として確保すべき能力やノウハウをもつ人材の採用・育成をどうするかが課題だ。
まず、「何が自社にとって確保すべき能力やノウハウなのか」を再検討する。正社員雇用は、どの仕事・どの職種なのかの絞り込みをする。それも考えず、ただ、今迄と同じように人を採るのは人材・組織戦略の欠如といえる。

その上で3つの方策を以下に述べる。
1)派遣社員、パート社員の大胆で積極的活用
「会社として確保すべき能力やノウハウ」を検討すると、自社で正社員が担当しなくても大丈夫な仕事・職種が見えてくる。但し、その仕事の質を落とさず円滑に進める上で、その仕事のマニュアル化や育成の仕組みづくり等が必要となる。さらに、派遣社員、パート社員に正社員並、又はそれ以上のモチベーションアップを図る具体策の検討と実行も必要となる。そうすることで業務の効率化やレベルアップも図れる。

2)外部スタッフ・外注化の積極活用
単なる外注化というよりは、テレワークなどの在宅勤務等の形態での人材(能力)の活用である。もちろん業種・職種により向き不向きはある。但し、この場合には、元社員や同業種・同職種の経験者の活用も十分できるので、場合によっては即戦力化となる。もちろん専門業者の外注先を積極活用する手もある。

3)他社(同業・異業種)との協働化、協業、提携
前の2つはどちらにしても人材レベルでの社外の活用だが、この3つ目は組織的レベルの対応である。仕事での取引関係や直接の関係がなくても同業または、まったく違う業界の会社と相互に協業・協働化できることはないかを検討し、具体化することだ。
例えば、これはグループ内での事例だが、リゾート関係の会社が、グループ内の冬のスキー施設と夏のリゾート会社の間で、季節により従業員の異動を行っている事例がある。他に同業種で同じ業務を協働化する、異業種での商品開発の協業等がある。単純な下請け的な業務の外注化ではなく、お互いが部分的に協力できる関係できる関係で人材・組織を活用することだ。最近では本業では競合でも配送業務の共同化の事例もある(ビール3社)。

自社の人材が質・量ともに不足だと思い、採用(新卒・中途・人材紹介)へ走るのはもちろん全うな手段だ。採用力(魅力)のある企業になることは経営としても重要課題である。
それと並んで社外の組織とお互いに、まずは部分的に協働化、協業を図る。経営戦略としては提携・統合・合併などへ発展することもある。他社との協業・協働は、地域経済の縮小や規模拡大のために業界再編が必要となってきている現在、大きな選択肢の一つなのである。



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