
一昨年(2017年)11月から、「開発こうほう」誌に不定期で掲載の「組織における『相談力』を活かす』を、同誌の許可を得てブログに転載致します。今回は第5回「報告・連絡と相談との関係は」(2018年10月号)
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相談力を活かす5回目、今回のテーマは、「報告」「連絡」と「相談」との関係は、です。
さて、これまでの4回で「相談力」について考え、学んできたのですが、この「相談」は「報告」「連絡」と一緒に職場のコミュニケーションとして「報連相」と呼ばれています。
ここで、あらためて「報告」「連絡」「相談」の意味を確認したいと思います。
「報告」とは、指示や依頼を受けた仕事が終わったら、指示・依頼した人(多くは上司)に直ちに仕事の結果・経過の事実を簡潔に伝えることです。長くかかる仕事の場合は、途中で進行状況の中間報告をします。
「報告」は、指示を受けて実行し完了したら、その結果を伝えることで、これは業務として必ずすべきこと(義務)です。
「連絡」とは、仕事に必要な情報を必要な人へ伝え共有することです。
内容は、仕事の規則や作業手順の変更、お客様からの伝言、各人の勤務状況(遅刻や早退、休暇)等です。
仕事の効率をよくする、状況の変化に対応が出来る様にするために、必要な情報を共有することです。
「連絡」は、相手に伝わっていることを必ず確認して、共有化することです。
そして、「相談」とは、分からないこと、判断に迷ったことを上司・先輩に伝えて、その解決を図ることです。
つまり、一人で悩まずに周囲の助けを借りて、よりよい仕事ができるためにすること(問題解決)です。
第3回では、仕事での相談する側の目的を5つ挙げました。
前回第4回では、相談する側の「相談活用力」について述べてきました。
職場でより良い相談ができるために大事なことがあります。それは日頃から「報告」「連絡」を徹底して行うことです。
あなたが相談を受ける上司になって想像してみて下さい。
日頃、指示したことの報告がほとんどない、言われてからする、また仕事についての連絡もない、そんな部下が、自分が困ったときだけはいつも「相談」してくる、どう思いますか?
上司にとって「報告」「連絡」は部下の仕事の進行状況、結果、仕事ぶりを知るために必要なことです。
その必要なことはしないでおいて、自分自身に必要なことだけをしてくる部下では、積極的に相談に乗る気が失せてしまいませんか。
また、日頃から「報告」「連絡」を徹底していると、状況がよく分かりますから「彼(彼女)にとっては、こんなところは難しいかな、困るんじゃないかな」と上司からみえてきます。
そうなると相談に行った時には、既に相談がくるだろうと待っていてくれたり、相談に行く前に、逆に「どうだ、○○の件その後、うまくいっているか?」と上司から声をかけてくれたりするかもしれません。
日頃からの「報告」「連絡」を徹底することで、上司との情報の共有化ができているとお互いの「相談」も円滑に進むのです。
上司側としては、日常部下からの積極的な「報告」「連絡」が来るように、働きかけておくことで、よりよい「相談」もできるのです。
つまり、日ごろのこまめな「報告」「連絡」の中から職場でいい仕事をするための「相談」が生まれてくると言っても過言ではありません。
次回は、職場内だけの相談から、少し範囲を広げて社内外の相談を考えます。
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