2021年05月17日
【いい仕事をするために〜学びを活かす、分かち合う】No204:『部下の視点からのマネジメントを考える〜「部下力」とは2』
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『部下の視点からのマネジメントを考える〜「部下力」とは2』
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さて前回からのテーマは、『部下の視点からのマネジメント「部下力」』。
今回はその「部下力」の捉え方を、このテーマに関する7冊の本を基にして、一緒に考えていきます。
ワンポイントは「部下力の捉え方もいろいろある」
今回のテーマのキッカケとなったのは、今年(2021年)4月に出版された「上司へのすごい伝え方」(斉藤由美子著、秀和システム)。
この本は、ソーシャルスタイル理論をベースに、若手社員が上司のタイプ別に伝わるコミュニケーションの取り方を実践的スキル(技術)としてわかりやすく述べています。
そして、もう1冊は前号で紹介した「部下力―上司を動かす力」吉田典生著、祥伝社新書、2005年。
プロのコーチが、「コーチング」を部下の立場・視点で活用する方法をまとめた本。
部下側には、「フォロワーシップ」の理論に基づくタイプ分けで解説し、上司については、DiSC理論に基づく行動スタイルで上司をタイプ分けして、そのタイプ別の対応策を述べている。
今回のテーマは、私自身も学び直そうと思い、Amazomで「部下力」、「上司への伝え方」、「上司のトリセツ」等のキーワードで、検索したらかなりの数の本があげられてきました。
現在、最初に挙げた2冊も含め延べ7冊を手許に置いて目を通しています。
読了したのは4冊、後はまだ斜め読みです。
それぞれテーマの焦点も違い、視点も異なり、著者の専門分野や経験も多様なので、非常に興味深く読み深めています。
この7冊に限って言えば、主なテーマは、大きく3つに分けられます。
1つは、「コミュニケーション」、「人間関係」に焦点を当てて、上司への対応スキルを具体的に述べている本(最初の2冊、そしてもう1冊は、上司への話し方・伝え方と上司の話し方のマネジメントの本)。
2つは、部下の視点で「上司を最大限に活用する術」、「上司視点で自分自身のマネジメント(仕事の進め方)を高める」の本(7冊中3冊)。
こちらは、「どんな上司もうまく活用して、自分自身のマネジメント力を向上させる」ための本。
3つは、上司の怒りに焦点を当て、「アンガーマネジメント」の方法論に加えて心理療法、コーチング、エゴグラム等の周りの人の「怒り」への具体的な対処法を述べている本(1冊)。職場・仕事やそれ以外でも幅広く人間関係づくりに役立ちます。
そして、共通点が一つ。
それは、部下向けであり、部下視点で書いてあるのですが、どの本も上司自身が読んでも非常に役立つ本と言えることです。
もちろん部下が上司に向けるあの手、この手に対処するためということではありません。
部下の視点に立ち(実際、現在も上司がいれば部下なのですから)、自分自身の振り返りと上司としてのコミュニケーションやリーダーシップの向上についてたくさんのヒントがあるからです。
そういう点では、全て上司の人(部下や職場の人間関係)に関するマネジメントの参考書と言えます。
そして、私が管理監督者対象のマネジメント研修の多くで、導入時に行う実習での問いかけ「部下としての経験で優れた上司とそうでない(困った)上司は、その行動・態度や特徴は何が違っていましたか?」の答えを思いだしました。
さらに思い浮かんだのは、研修でのこの問いかけの実習を行って、その研修の最後に受講生からよく出てくる2つの感想。
一つは「部下の視点では、上司(管理者)もそう思っているはずなのに、なぜ優れた上司になれないのだろうか?」
そして、もう一つは「(部下視点で)優れた上司、困った上司の特徴はよくわかったのだけれど、自分が優れた上司に必ずなれるとは思えない。」
この2つを今回のテーマの中で一緒に考えていきたいと思います。
次回以降は、7冊の本から私自身がなるほどと思ったり、皆さんの参考になる、ヒントをお届けしたいと思います。
それでは、また次号で。
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