2024年08月28日
「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考えるその3
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「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考えるその3
〜人事評価を活かすキーポイントB、C、D
さて、私の実施する「人事評価研修」で話すキーポイント5つのなかから、B、C、Dについて述べていきます
➂人事評価の一番は「自己(本人)評価」,次に「他者(上司)評価」,必要に応じて「多面評価(360度評価)」
人事評価研修と言うとほとんどの場合、評価者(管理者、つまり上司)の研修となります。
しかし、私の実施する人事評価研修では、評価者だけではなく、いわゆる被評価者つまり評価される部下も参加して行うことが多いのです。
この研修は、単なる人事評価制度(人事評価の目的や目標設定や自己評価の仕方等)の説明ではなく、人事評価と言う仕組みを使っていかに自らの仕事の目標達成や改善、そして自分自身の能力向上に活用するかという内容です。
前回お伝えした通り人事評価は『いい仕事をするために、社員(職員)ひとり一人の一定期間の仕事の状況を振り返り、次の仕事へ活かしていくため』にすることです。
この意味からすると、一番の評価者は、社員(職員)一人ひとりの本人(自分自身)なのです。
しかし、自分自身の評価は、主観的にならざるを得ない面があります。
「自己(本人)評価」が適切にできるようになるためには「他者(上司)評価」も必要であり、人材マネジメントの視点では、「他者(上司)評価」が部下本人の納得性も高く、客観性も高い評価にしていくこととなります。
そして3つ目は、上からだけではなく被評価者の上(上司)、横(同僚)、下(部下)の3方向又は上と下の2方向からの多面(360度)評価です。
➃「人事評価シート」は人材マネジメントの1ツールであり、シートの評価項目を睨んで評価してはいけない。
多くの人事評価では、評価項目(評価要素とも言い、多くの場合、項目や要素の内容を具体化するための着眼点も記されています)の内容の理解や評価シートの活用法(目標設定の仕方や評価点のつけ方)、評価する際の留意点等を人事評価研修で学びます。
それ自体は大切なことです。
しかし、評価項目内容や評価シートの記入の仕方、評価の仕方を理解して、評価表を睨みながら公平で平等な評価をしようしても、部下本人の納得性が高く、妥当な評価をすることは簡単ではありません。
一番大切なのは、評価シートを睨んで考えることではなく、部下に関心を持って日頃からよく仕事ぶりを観察すること、職場で報告や相談を受ける等のコミュニケーション量を増やし、質を高めることです。
その様に部下についての情報をよく把握していかないと、いくら評価項目を理解し、評価の仕方を学んでも意味がないのです。
➄評価者会議を実施しよう(別名「評価擦り合わせ会議」、「評価育成会議」、「成長支援会議」)。
人事評価制度では、多くの場合「自己評価(自己申告)⇒上司評価(一次評価)⇒上位者評価(二次評価)⇒決定(調整評価)」と言う縦ラインで行われています。
しかし、このような評価の仕方だけだと組織内での評価者のバラつきや偏りを調整して適切妥当な評価をすることは容易ではありません。
そのための具体策として有効なのが、組織(部門)内での一次評価者が横並びで集まって行う「評価者会議」です。
参加した一次評価者が、自分の評価結果とその理由や根拠を各々が発表して、参加メンバーから質問やコメントを貰って評価の妥当性を検討する場です。
評価の結果を調整する場ではなく、評価のプロセスをお互いが公表し、その妥当性や客観性を検討し合い、評価の仕方や評価項目の見方等評価基準について共通認識をつくる場です。
さらには、その評価をした部下をどのようにして育成支援をするか迄を相談し合うことです。
次回は、真に自社(自組織)の人材マネジメントの役立つ「人事評価制度」の3つのキーポイントについて述べていきます。
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