2024年09月11日

「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考えるその4

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今回のテーマは、引き続き「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考える、その4です。

さて、今回は真に自社(自組織)の人材マネジメントに役立つ「人事評価制度」の3つのキーポイントについて述べていきます(丸番号は、「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考える〜人事評価を活かすキーポイント、での連番です)。

E人事評価制度は、自社の経営理念、ミッション・ビジョン・バリュー、人材育成方針等とつながっているか?

人事評価制度は、自社において「いい仕事」の評価基準をつくるものだと言えます。
最近はIT化(DX化)の流れで、人事評価を変化の時代での様々な考え方、理論・理屈で新しい人事評価制度をコンサルタント会社が提示し、セミナーやネットでもPRしています。

しかし、土台になるのはそのコンサルタント会社の理論・理屈ではなく、自社が求める人材像であり、目指す組織風土づくりです。

その土台の元である自社の経営理念(社是・社訓)、ミッション・ビジョン・バリュー、行動指針を明確にすることです。
皆さんの会社の経営理念は事業活動、日々の仕事で行かされていますか?

単なる言葉・文章ではなく、実践的な内容となるように見直す事(再構築)が必要な場合もあります。

インタフェースがサポートする「人事評価づくり」では、まず自社の経営理念(社是・社訓)、ミッション・ビジョン・バリューを確認し、必要な場合は、経営理念の内容・表現の見直し、行動指針づくりから始めることもあります。


F自社のいい仕事のモノサシ(業務・業績の評価と能力育成基準・要素)は自社内で考えてつくろう
(人事評価コンサルタント会社の素晴らしい理論・理屈の話に惑わされるな!)。

前項Eで述べたように、自社のいい仕事の土台となる基準(モノサシ)は経営理念、ミッション・ビジョン・バリューであり、具体的な内容は、実際の現場でいい仕事をして成果を上げている社員の業務遂行行動であり、管理者のマネジメント行動です。

私どもの人事評価制度づくりは、各クライアント企業の経営者・幹部、管理者、いい仕事をしている社員が参画したワークショップ(又はプロジェクト)で作成していきます。

多少の時間とコスト(社員人件費)はかかりますが、外部コンサルタントの多額な人件費負担の費用ではなく、社員(管理職、リーダー職)と共につくる、現実・現場の「いい仕事」のコツ・ヒント、その実践の中に、いい仕事の評価基準(モノサシ)があるのです。

ワークショップ(プロジェクト)は、参加するメンバーの育成(マネジメント力の向上)や経営参画でモチベーションアップにもつながります。
また、実際に運用して問題、課題が生じた場合には、直ぐに修正や変更が社内で進めることができやすくなります。


➇いい仕事の評価と人材育成の一体化が最大のキーポイント、あなたの会社の人事評価制度はどれ位いい仕事の成果を上げることと人材育成に結びついているか?

多くの会社で「評価⇒処遇」のための人事評価が行われています。
確かに昇進・昇格、昇給・賞与に反映するために評価することも人事評価の機能の一つです。
もう一つの大きな役割が「人材育成と組織力向上・組織風土づくり」です。

人事評価を「人材育成」に活かすためには、妥当な評価ができると共にフィードバックが出来ること、
社員個々人の課題が何なのかが分かること、等の人材育成視点での評価内容や評価シート、仕組みが必要となります。

そのためには、この制度のユーザーである社員自身(管理職・リーダー職等)が参画することが大切なのです。

人事評価制度では「評価すること」は、手段の一つです。
「評価」することを通して、社員ひとり一人の成長、組織力の向上のために、今の「人事評価制度」は機能していますか、役立っていますか?

今回で「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考えるは、終わります。
ご感想やご質問ございましたら、またご相談は igaj@interface-h.c.jp 宛お寄せ下さい。



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2024年08月28日

「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考えるその3

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「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考えるその3
〜人事評価を活かすキーポイントB、C、D



さて、私の実施する「人事評価研修」で話すキーポイント5つのなかから、B、C、Dについて述べていきます

➂人事評価の一番は「自己(本人)評価」,次に「他者(上司)評価」,必要に応じて「多面評価(360度評価)」

人事評価研修と言うとほとんどの場合、評価者(管理者、つまり上司)の研修となります。
しかし、私の実施する人事評価研修では、評価者だけではなく、いわゆる被評価者つまり評価される部下も参加して行うことが多いのです。

この研修は、単なる人事評価制度(人事評価の目的や目標設定や自己評価の仕方等)の説明ではなく、人事評価と言う仕組みを使っていかに自らの仕事の目標達成や改善、そして自分自身の能力向上に活用するかという内容です。

前回お伝えした通り人事評価は『いい仕事をするために、社員(職員)ひとり一人の一定期間の仕事の状況を振り返り、次の仕事へ活かしていくため』にすることです。

この意味からすると、一番の評価者は、社員(職員)一人ひとりの本人(自分自身)なのです。
しかし、自分自身の評価は、主観的にならざるを得ない面があります。

「自己(本人)評価」が適切にできるようになるためには「他者(上司)評価」も必要であり、人材マネジメントの視点では、「他者(上司)評価」が部下本人の納得性も高く、客観性も高い評価にしていくこととなります。

そして3つ目は、上からだけではなく被評価者の上(上司)、横(同僚)、下(部下)の3方向又は上と下の2方向からの多面(360度)評価です。


➃「人事評価シート」は人材マネジメントの1ツールであり、シートの評価項目を睨んで評価してはいけない。

多くの人事評価では、評価項目(評価要素とも言い、多くの場合、項目や要素の内容を具体化するための着眼点も記されています)の内容の理解や評価シートの活用法(目標設定の仕方や評価点のつけ方)、評価する際の留意点等を人事評価研修で学びます。
それ自体は大切なことです。

しかし、評価項目内容や評価シートの記入の仕方、評価の仕方を理解して、評価表を睨みながら公平で平等な評価をしようしても、部下本人の納得性が高く、妥当な評価をすることは簡単ではありません。

一番大切なのは、評価シートを睨んで考えることではなく、部下に関心を持って日頃からよく仕事ぶりを観察すること、職場で報告や相談を受ける等のコミュニケーション量を増やし、質を高めることです。

その様に部下についての情報をよく把握していかないと、いくら評価項目を理解し、評価の仕方を学んでも意味がないのです。

➄評価者会議を実施しよう(別名「評価擦り合わせ会議」、「評価育成会議」、「成長支援会議」)。

人事評価制度では、多くの場合「自己評価(自己申告)⇒上司評価(一次評価)⇒上位者評価(二次評価)⇒決定(調整評価)」と言う縦ラインで行われています。

しかし、このような評価の仕方だけだと組織内での評価者のバラつきや偏りを調整して適切妥当な評価をすることは容易ではありません。

そのための具体策として有効なのが、組織(部門)内での一次評価者が横並びで集まって行う「評価者会議」です。
参加した一次評価者が、自分の評価結果とその理由や根拠を各々が発表して、参加メンバーから質問やコメントを貰って評価の妥当性を検討する場です。

評価の結果を調整する場ではなく、評価のプロセスをお互いが公表し、その妥当性や客観性を検討し合い、評価の仕方や評価項目の見方等評価基準について共通認識をつくる場です。

さらには、その評価をした部下をどのようにして育成支援をするか迄を相談し合うことです。


次回は、真に自社(自組織)の人材マネジメントの役立つ「人事評価制度」の3つのキーポイントについて述べていきます。



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2024年08月20日

「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考えるその2

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「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考えるその2
〜人事評価を活かすキーポイント➀、A



さて、私の実施する「人事評価研修」で話すキーポイント5つのなかから、そもそも「人事評価」とは、何のためにするのか?を考えていきます。

➀人事評価は何のためにするのか(人事評価の目的は何か)?

「人事評価は何のためにするのか?」と問われたら、皆さんは何と答えますか?
もちろん答えは一つではありませんし、絶対的な正解もありません。

私の研修では、“一言で言うと『いい仕事をするために、社員(職員)ひとり一人の一定期間の仕事の状況を振り返り、次の仕事へ活かしていくため』にすること”と伝えています。

この目的を実現するためには次の3点が重要なポイントとなります。

@)いい仕事をするために適切な評価を行う
 (自己評価、他者評価)

いい仕事をするための評価項目を基に、職務での社員一人一人が成果に貢献した状況や発揮された能力を個別に評価すること。

A)いい仕事をするための個々人の社員育成(自己育成、育成
 支援)を効果的に行う

いい仕事をするために社員各人の能力向上を促進させることをねらいとします。
面談を通して共有した目標と課題となっている具体的な評価項目を、その期の能力向上の指針として期中に積極的な育成支援を行うことが上司(管理者)に求められます。

B)仕事の評価と部下育成との一体化を図る
上記@)の「評価」とA)「育成」の一体化を図り、ともすれば別々に実施されがちだった「仕事の目標管理」「社員育成」とをPDCAサイクルを効果的に回すことで、個人の能力開発と、業務の目的達成を同時に実現することを目指します。

人事評価の結果は、処遇(昇給や賞与、昇格等)に活用されますが、ここでは「評価」と「育成」に焦点を当てて考えています。

さて、前回の人事評価の5つのキーポイントとして挙げた2つ目は
➁狭義の人事評価は、一人ひとりの仕事「PDCAサイクル」の「C&A」(評価と改善・向上)

「人事評価=処遇のため」の考え方では人事評価の本質を見誤ることとなります。

上記の@)、A)、B)のポイントを押さえた評価が行われることでいい仕事をするためが真の目的なのです。

そのためにPDCAサイクルを回して、特にCheck(評価)とAction(改善・向上)を仕事成果の面と仕事をする社員各人の行動や能力の両面で行うことです。

PDCA.png
【↑こちらをクリックしてください。さらにクリックすると拡大画像が見られます】


次回は、前回挙げた人事評価のキーポイントのB、C、Dについて具体的に述べていきます



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2024年08月08日

「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考える

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「評価と育成一体化の仕組みづくり」を考える
〜人事評価を活かすキーポイント


私の研修でこの数年増えているテーマの一つは「人事評価研修」です。
企業はもとより、特に自治体での人事評価研修も増えています。

「人事評価研修」はほとんどの場合、評価者である管理職(上司)対象の研修が多いのですが、最近は一般職(部下)を対象とする研修を実施することも増えてきました。

管理者(上司)と一般職(部下)と一緒に参加するケースもあります。

私の実施する「人事評価研修」で話すキーポイントをいくつか挙げます。

➀人事評価は何のためにするのか(人事評価の目的は何か)?
➁狭義の人事評価は、一人ひとりの仕事「PDCAサイクル」
 の「C&A」
➂人事評価の一番は「自己(本人)評価」,次に「他者
 (上司)評価」,必要に応じて「複数名評価(360度評価)」
➃「人事評価シート」は人材マネジメントの1ツールであり、
 シートの評価項目を睨んで評価してはいけない。
➄評価者会議を実施しよう(別名「評価擦り合わせ会議」、
 「評価育成会議」、「成長支援会議」)。


さらに「人事評価研修」だけではなく、真に人材マネジメントに役立つ「人事評価制度」のキーポイントとしては、以下の3つ

E人事評価制度は、自社の経営理念、ミッション・ビジョン・
 バリューとつながっているか?
F自社のいい仕事のモノサシ(業務・業績の評価と能力育成
 基準・要素)は自社内で考えてつくろう
(人事評価コンサルタント会社の素晴らしい理論・理屈の話に
 惑わされるな!)。
➇いい仕事の評価と人材育成の一体化が最大のキーポイント、
 あなたの会社の人事評価制度はどれ位いい仕事の成果を上げ
 ることと人材育成に結びついているか?


次回からは、「評価と育成一体化の仕組みづくり」〜人材育成と組織力向上に役立つ人事評価とは、をメインテーマに、前述の➀〜➇のキーポイントについて各々具体的に考えていきます。





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