2007年12月07日

成果の出る研修〜「教える」から「学び」へ(2)『現場に役立つ研修の工夫』 〔INTERFACE・第2号/平成19年11月11日記〕

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まずは前回お話の『研修が変わってきたから「教える」から「学び」へ』の3つの要点を復習します。

(1)どこの会社でも効果の上がる研修プログラムはない。
⇒その会社、研修参加者ごとに何が効果的なのかを考える

(2)効果的な集合研修を実施することが研修ではない。
⇒集合研修は、職場実践を開始するためのキッカケづくり

(3)研修講師が「教える」研修より、研修参加者が「学ぶ」研修へ
⇒研修で気づく、ヤル気になることより職場での実践継続が大事

これは、とりもなおさず、私度もの会社の研修企画・実施の基本となる考え方でもあります。

このように考えながら、特に上記の(2)(3)に関して実際の取り組み方が今回のテーマです。

これまでの約9年間様々な民間企業や公的機関、病院などの研修を企画・実施してきた
なかで「職場での実際に役立つ」と言う観点で取組んできたことを以下に5つ簡潔に述べます。

1.研修参加者に事前に、研修テーマに関する仕事や職場をふり返ってもらう。

ほとんどの研修で、事前に研修参加者の方々に事前課題として研修テーマに関して
仕事や職場の課題・問題を考えてきてもらいます。余裕があれば事前提出又は
研修当日に持参いただきます。そのための「事前学習シート」を各研修ごとに
作成します。事前に問題意識を持ってもらい、研修への動機付けに役立ちます。

2.参加者の仕事や職場の現状、現実課題・問題の「聴き合い」の場をつくる。

研修の導入又は各セッションの開始時点でそのテーマやセッションに関する
現実課題・問題などを参加者同士でお互い「聴き合う」場をつくります。参加者の
一番の関心事は自分の仕事自分の職場で起こっていること、問題です。
悩みや多少の不満が出る場合もありますが、問題の共有化や問題意識の醸成
などに役立ちます。

3.最低一つ以上の現実課題や問題の実例を参加者に考えてもらう。

現実問題でも、そのテーマについての専門家であり、客観的に判断できる研修
講師が理屈に則った正論の答えを示すことは比較的容易です。しかし、研修講師
がそのような答えをすぐ出すよりも、研修参加者に考えて自分たちの答えを出して
もらうことが大事です。もちろん、職場で考えるよりも多様な視点で、考えを深める
サポートが必要となります。いわゆる「現実問題のコーチング」をおこなうことです。

4.研修の場だけの学びに終わらせず、職場で取組むことを決めてもらう。

研修で気づいたと感動するだけでは落語やコンサートのイベント参加の聴衆
と同じで、すぐに思い出になってしまいます。研修をキッカケとして職場で取組む
課題・目標を明確にして「職場実践計画シート」などで行動に移すようにします。

5.職場実践のフォローとふり返りをすることで、さらなる学びを継続させます。

研修で決めた取り組み課題のふり返りは参加者の自己責任、フォローアップは
本来、上司の任務でしょう。しかし、それが必ず実行できるようならそもそも
研修などしなくてもよい職場かもしれません。
数ヵ月後にフォロー研修と言うのが望ましいのですが、それもコスト面で簡単
ではありません。本人のふり返りのために「メールコーチング」(メールで実践計画
の実施状況やふり返りをトレーナーにレポートして、フィードバックやアドバイスの
コメントを返信)を実施します。
他には、「上司の報告して、その結果をさらにレポートしてもらう方法」などです。


その他にも小さな工夫はまだまだありますが。
今回はこの5つにまとめてみました。

以上に書いてあることは、そうたいしたことではないかと思われるかもしれませんが、
受講者が現実問題を持って研修に臨んでくること、そして課題や目標を持ち帰るように
することは「教える」ことが得意なだけの研修トレーナーにとっては大変なことなのです。
何が出てくるのか分からない研修になるのですから・・・(だからこそ面白い!と最近の
私は思っています)。

次回は、そもそも役に立つ研修をするために「本当のお客様は誰か?」と言うテーマで考えていきます。』

〔平成19年11月11日記〕

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2007年12月04日

成果の出せる研修〜「教える」から「学び」へ 〔INTERFACE・第1号/平成19年10月3日記〕

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先月の25日(火)、の早朝6時30分からの「モーニングセミナー」
(札幌北倫理法人会主催)に講師として招かれ話をしてきました。

テーマは『研修が変わってきた〜「教える」から「学ぶ」へ』です。

そのときの要旨は以下の通り。

(1)どこの会社でも効果の上がる研修プログラムはない。
⇒その会社、研修参加者ごとに何が効果的なのかを考える
(2)効果的な集合研修を実施することが研修ではない。
⇒集合研修は、職場実践を開始するためのキッカケづくり
(3)研修講師が「教える」研修よりも、研修参加者が「学ぶ」研修へ
⇒研修で気づく、ヤル気になることより職場での実践継続が大事

その上でいかに研修参加者が研修をキッカケにして学び始め、そして
職場で実践し、さらに継続して前進し続けるために如何すれば良いのか、
これが本題であり、私どもが求め続けているテーマです。

今回は(1)についての私の経験を一つ。

私の最初の仕事は「企業研修の営業」でした。
しかも入ったばかりの新人が「管理者研修」を売りに行くのです。

新人が元気よく営業しに行って、この「新人研修」を受けると私の
ようにヤル気一杯の新人が育ちます、と言うならともかく20歳そこそこの
若手社員が「管理者研修」の売り込みに行くのです。

しかも当時(20数年前)、研修プログラムは3つしかありませんでした。
それでも、管理者である研修参加者の上司や部下から事前にアンケート
をとり(今様に言えば360度サーベイ)研修でフィードバックするもので
結構インパクトがありました。

口八丁手八丁とは正反対の性格の私は、先輩から「オマエはビール1本位
空けてから営業に行くと口が少しは回っていいんじゃないのか」と言われていた
新人でした。インパクトがある研修プログラムでしたがインパクトのある営業は
できていませんでした。

お客様の現状の課題や悩み、研修への要望を聞けば聞くほど、それには
なんと言ってもこの研修プログラムです!とは断言できず、
結局「今日お伺いした御社のニーズに合わせたオリジナルの研修プログラム
をご提案させていただきます」
と言って帰ってきてしまうわけです。

3種類の定番プログラム以外の研修を個別に企画することを「特別プログラム」、
社内的には「特P(とくピー)」と呼んでいました。

社内のベテラントレーナーにこの特Pの相談を持ち込むと結構受けがよく、
「おおっ、それは面白い話だな、考えてみようか!」と言ってもらえました
(ベテラントレーナー達は、定番プログラムの実施よりも自分の持つ経験や
創意工夫を活かせる特Pが好きなのでありました)。

このベテラントレーナー陣には、情報共有化のマネジメント『真報連相』を
創案した日本報連相センター(*)代表の糸藤正士氏(氏は関西でしたので当時
直接お世話になる事はありませんでした)とか社内で手づくり人事考課制度
を作り上げる「M式人事考課ワークショップ」を創案した村上裕氏などです。
*日本報連相センター⇒ http://www.ne.jp/asahi/nhc/itfj/

この特Pを経験と知見に優れた研修トレーナーの先生方と一緒に作り上げた
経験が、私どもの会社のベースになっていることは間違いありません。
特Pは各種の研修プログラム・手法やトレーナーのノウハウ・経験
の組合せともいえます。

次回は、独立して研修会社をスタートしてこの9年間で工夫した特P中でも
「教える」から「学び」へと転換していった幾つかの実践例を紹介いたします。

〔平成19年10月3日記〕

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