3年前ほど、その講座の修了生でキャリアコンサルタントの資格を取り、実際に仕事に就いた方からの相談への回答を以下に記してます。
自分自身の就職や仕事を考えたとき、また相談を受けた際に対応の仕方の参考まで(あくまでも私の考えです)。
Q:私、このたび委託を受けて、公的機関の委託訓練を受けている受講者にキャリコンをおこなう仕事をおこなうことになりました。宅建とかマンション管理士の講習をうけているとのことです。全体に年齢が高めで60歳近くの人もおります。こういう人で正社員を望んでいる方にはどのようにお話するといいのか、考えております。実際には正社員はむずかしいかなとも思うのですが、パートやアルバイトでも選ばずにやってみた方がいいのか、それとも希望を尊重して正社員にこだわっていくことを否定しない方がいいのか、ご教示いただければと思います。
A:キャリアコンサルティングの仕事に就かれたとのこと、おめでとうございます。ご質問の件ですが、私の考え(●)を以下お答えいたします。
●就職を希望する人で、正社員であるという雇用条件を重要に考える人も多いとは思います。
年齢的な面で正社員での雇用が難しいのが現実ですということを理解してもらうことも必要でしょう。
まずは、正社員であることだけが就職する(働く)ための条件ではないはずです。
例えば、
@とにかく早く就職したいのか、それとも少し期間がかかっても望む就職をしたいのか
(つまり経済的な面で、蓄え・余裕があるのかどうかということです)
A勤務地の条件(現在の居住地よりどれくらいの範囲までOKなのか)
B勉強している資格を活かしたものでなければ絶対ダメのか、それともこれまでの経験
を活かした仕事でもいいのか(仕事の内容)
C就職先の会社の条件(規模、安定性、業種など)
D就職に当たって何を重視するのか(収入、安定、働き甲斐、家族、面子・体面・・・)
●もちろん望む職種の仕事が正社員と言う雇用条件で探せれば、それに越したことはないわけです。実際にそれを目指しても現在の雇用(就職)市場では、簡単でないと分かれば(あるいは事前に分かってもらって)正社員とかパート契約社員という雇用形態ではなく、賃金や勤務場所、職種などその他の条件で自分の望む仕事をよく考えてみることを促すことです。
●また、正社員での採用と言うことに関しては、相手(会社)側の視点も考えてもらうことです。
つまり、会社(雇用する)側から見れば、正社員というのはそれなりに身分保障し、安易には辞めさせられないと言うことは一般的ですから、簡単には採用できない。契約パート社員であれば、一定期間での雇用を終了させることができる。
しかし、正社員となっても最近は会社から見てダメであれば、首になることは結構ありえます。契約・パート社員でも仕事ぶりが認められれば、継続して雇用されるということです。
●まとめますと、「正社員で勤める」ことが一番の目的なのかどうかと言うことを自分自身で吟味してもらう(よ〜く考えてもらう)ことが大事だと私は思います。
その際に、これまでの知識や経験で思い込んでいる人も多いので、客観的情報(具体的には希望職種についての求人案件の条件)を知ってもらう(実際にハローワークの求人や新聞、40歳からの仕事などの求人誌を自分で見てもらう)ことです。
そして一番最初に述べたように、自分にとっての優先すべき条件の順番を考えててもらうことです。
●キャリアコンサルタントとしての優先順位は、求職者の目標達成です。
しかし、それは求職者が何も考えずに最初に思った希望ではなく、現実を知りまた自分自身でよく考えた結果、作った目標の実現です。安易に説得するのではなく、求職者自身が動いて現実の情報を収集して体感し、また自分自身についてもよく考えることです。
キャリアコンサルタントは先生ではなく、コーチでありサポーターであるというスタンスが大事です。教えるのではなく、本人が考え決めることの支援です。
客観的に見て必要な場合は教示・説得も必要です。しかし、人は自分が理解し納得したことでしか行動しないものです。
少し長くなりましたが、少しでも参考になれば幸です。
また、いつでも遠慮なくご相談ください。
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ラベル:キャリアコンサルタント 就職相談